いにしへ
葦原の 瑞穂の国は
神ながら 言挙げせぬ国
しかれども 言挙げぞ我がする
言幸く ま幸くませと
障みなく 幸くいまさば
荒礒波 ありても見むと
百重波 千重波しきに
言挙げす我れは

磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ
  柿本人麻呂「万葉集 巻13-3253、3254」 柿本人麻呂歌集より撰



日本語の響きの美しさは
現代語より古語にあると感じます
古文法や古語の時代統一性という側面からすれば
完成度はとても低い拙歌たちですが
それでも詠みたくて、続けてきました
言葉の響きとうねり
さらには五音七音が生み出す韻律は
譬えるならば波の満ち干きのようであり
人の呼吸のようでもあると思えてなりません
そして歌謡としての高揚感まで
表現できたならば...
もう思い残すことはないようにすら思えます
うねっているな、と感じる拙歌を幾つか抄出してみました

       



いざ給へいざ謡はむや謡はまくほし
あが霊を、あが息の緒を 歌詠みゆゑに  遼川るか